景気とは何か
景気とは経済活動の状況のことをいう。経済活動が活発な状態を「景気がいい」、経済活動が停滞している状態を「景気が悪い」と表現する。
景気がいい状態では、消費者が物やサービスにお金を使う→会社が儲かる→会社は多く、または高品質な商品やサービスを作ろうとする→従業員を増やす&従業員の給料があがる→従業員=消費者がお金を使う→会社が儲かる・・・と社会全体がお金を使うようになる。社会全体がお金を使うと所得税、消費税、法人税などからの税収増加にもつながる。一方景気が悪い状態では、社会全体がお金を使わない状態となっている。
景気の判断基準①「景気動向指数」
景気がいいのか悪いのかは「景気動向指数」によって判断できる。
景気動向指数とは、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、 景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標です。引用:(https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/menu_di.html)
用語の解説―内閣府
景気動向指数には、先行指数、一致指数、遅行指数がある。
・先行指数:景気の先行きに対する予測を行うときに参照される。
・一致指数:景気の現状を把握するのに用いられる。
・遅行指数:景気の転換点を確認するものとして利用され る。
R3.6.7に内閣府から発表された景気動向指数の分析結果では、一致指数は改善と分析されている。一致指数の推移を見ても改善の傾向にあるようだ。日本の景気は景気動向指数上では「景気がいい」といえる。

景気の判断基準②「日銀短観」
景気の良し悪しを判断するもう1つの基準に全国企業短期経済観測調査、通称「日銀短観」がある。日銀短観とは約1万社を対象に日銀が行う調査で、自社の業況や経済環境の現状・先行きについて調査するものだ。つまり「会社は今の景気をどう思っているか」を示している。R3.4.1に発表された調査結果では-8ポイントであり、景気が悪いと感じている会社のほうが多いことがわかる。しかし前回の調査から+7ポイントとなっていること、前回の調査時の3月時点の予測より+10ポイントになっていることから、景気が改善されつつあるといえる。

物価と金融政策
景気がいいと物価があがる「インフレ」が起こり、景気が悪いと物価が下がる「デフレ」が起こる。インフレもデフレも行き過ぎると経済活動に悪影響を及ぼすため、日銀は金融政策を行い、バランスをとっている。インフレ時には金利(政策金利と呼ぶ)を上げることで、出回っているお金を減らし、加熱した景気を冷やす。デフレ時には金利を下げることで、世の中に出回るお金を増やすのだ。
時には金融政策だけでは景気をコントロールできないことがある。日本はデフレを抜け出すために政策金利をゼロに近づけたが、長い間不景気に悩まされていた。そこで打ち出されたのが量的緩和政策であり、日銀が銀行から国債を買い上げ、市場に出回るお金を増やすというものである。景気をコントロールすることが日銀の大きな役割なのである。
まとめ
- 景気とは経済活動の状況のことをいう。
- 景気の良し悪しは「景気動向指数」と「日銀短観」から判断できる
- 景気は物価を変動させる
- 行き過ぎた物価の変動を抑えるために、日銀は金融政策を行う
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